算数嫌いな子の「やる気スイッチ」を押す方法。声かけ1つで好きになる。

こんにちは、綿崎(わたさき)です。現役塾講師で、趣味は授業準備。子どもの「わかった!」「できた!」の笑顔が生きがいです。

今回は、「算数なんてやりたくない!」という子の算数やる気スイッチを押す方法、オススメの関わり方を紹介します。

結論としては、いたってシンプル。

ポイントは「嫌いにさせないこと」です。

ママ

すでに算数が嫌いなんだけど……?

というお母さんもご安心を。

「算数っておもしろい」「算数ってたのしい」と感じてもらえば良いのです。

難しく聞こえますか?

もしかしたら、それは、あなたが難しく考えすぎている証拠かもしれません。

子どもの言う「嫌い」って「好きじゃない」だけの場合がほとんど!「おもしろい」「たのしい」と気付けば、コロッと「好き」に早変わりします。

綿崎ねこ

任せてください!楽しい学びには自信があります!

そもそも、なぜ算数が嫌いになるの?

算数を嫌いになるのは、以下のような理由からです。

算数を嫌いになる理由
  1. 抽象的な数が理解できていない
  2. やることが多くて混乱する
  3. なんとなくの理解を積み重ねてしまっている

実は、この3つはすべてつながっています。

一つずつ詳しく解説していきますね。

①抽象的な数が理解できていない

まず初期段階。

①の理由は、数字の捉え方です。

突然ですが、あなたはドイツ語で数を数えられますか?

ごめんなさい。

これは例えで、ちゃんと意味があります。

きちんと説明しますので、しばしお付き合いください。

あまり詳しくない言語の数の数え方を習ったとします。

(※今回は私が大学時代の第二外国語で取っていたドイツ語で説明します。)

0 null(ヌル)
1 eins(エインス)
2 zwei(ツヴァイ)
3 drei(ドライ)
4 vier(フィーア)
5 fünf(フンフ)
6 sechs(ゼクス)……

この慣れない言葉を使って算数の問題を解くのをイメージしてみてください。


eins +zwei = ?
einsは1
zweiは2
1+2=3
3は……eins、zwei、drei!
答えは、dreiだ!!!!

と、なるはずです。

ドイツ語が表している数が、具体的でないんです。

だから、ドイツ語から自分の知っている数、知っている数をドイツ語に、変換しながら考えています。

これと同じようなことが、りんごの数と数字で起きているのが子どもの脳内です。つまり、りんごが表している数を数字に変換しながら計算。だから、時間がかかる。ぼーっとしているように見えても、脳内はフル回転しているかも。

そして、驚くかもしれませんが、これは低学年に限った話ではありません。

分母の数だけを見て、1/3の方が大きいと感じたり

かさや重さ、面積や体積などの単位で混乱したり。

様々なところに「抽象的な表現」の罠が隠れています。

この段階でつまずいたまま学年が上がると、「算数嫌い」が②の理由に進化します。

②やることが多くて混乱する

私が知る限りだと、「算数嫌い」な子の大半はこの理由です。

大人からすると「問題読んで計算するだけ」の文章題も、子ども目線だとやることが多いのです。

①のたし算でさえ、子ども目線だといくつかの段階がありましたよね。

3年生までの算数で、四則計算(+、−、×、÷)を習います。

四則計算を習った後の単元では、四則計算は当たり前に出てきます。

つまり、四則はできる事が前提なのです。

4年生の面積や5年生の体積。

計算力が身についていない子どもたちにとっては、苦行です。

単元の内容を理解しながら、計算力も磨かなくてはならないからです。

間違えたら、また面倒な計算……そりゃあ嫌いになりますよね。

また、単位換算(1㎢=100haとか、単位の変身)も鬼門です。

単位を覚えて、文章をしっかり読んで、計算もして……。

「算数ってめんどくさいな」

「やることが多くて大変だな」

このように感じてしまうと、そもそも意欲的に取り組めないので知識として定着する前に次の単元に進んでしまい、③の理由に進化していきます。

③なんとなくの理解を積み重ねてしまっている

①も②も、学校の単元テストであればそこそこの点数が取れたりします。

なぜなら、学校のテストは教科書やドリルでやった問題と同じパターンの問題しか出題されないからです。

なんとなくでも理解して、パターンを覚えてしまえば、解けてしまう。

だけど、ごちゃ混ぜに出題されるとできない。

算数は、知識を積み上げていく教科です。

たし算ができてから、かけ算。

かけ算ができてから、わり算。

長さを学んでから、面積。

面積を学んでから、体積。

なんとなくの理解を積み重ねるということは、土台のないところに家を建てるようなもの。

どこかのタイミングで歪み始め、最終的には崩れてしまいます。

そうなる頃には、きっと「先生の言っていることがわからない」状態。

わかっていたはずの単元まで、混乱するようになり自信をなくします。

それでも算数を好きでいるなんて、無理な話ですよね。

ママ

で、どうしたらいいの?

答えはいたってシンプルです。

冒頭でもお話した通り、「嫌いにさせないこと」

あとは、根気強く練習を重ねることです。

算数のやる気スイッチを押す方法

ここまでで、子どもが算数嫌いになる理由を紹介してきました。大人目線では見えない「落とし穴」と言っても良いですね。

子ども目線の落とし穴が分かれば、今までよりきっと寄り添えるはず。今日からやる気スイッチをONにして、落とし穴を軽々と飛び越えさせていきましょう。

ポイントは以下の3つです。

・ゲーム性
・自分で解かせる
・「むずかしい」ではなく「おもしろい」

ママ

嫌いな算数がおもしろい?そんな訳ないじゃない。

と思いますか?

綿崎ねこ

……つまり、あなた自身が算数を面白くないと思っているのでは?

もしそうなのであれば、尚更この先を読んでみてほしいです。

算数の印象を変えて欲しいです。

そして、読み終わったらぜひお子さんのやる気スイッチを押してあげてくださいね!

学習って、楽しくなってハマると驚くほどグンと伸びますから。

ではでは。

ゲーム性

そう、算数って謎解きゲームなんです。

ルールに従って解く、か

ルールを見つけて解く。

算数って、謎解きを楽しむ教科なんです。

綿崎ねこ

謎を解く楽しみを奪っていませんか?

「教え方がわからない」という親御さんのほとんどは、教えすぎています。

全部説明してしまって、子どもはそれに従って解くだけ。

算数は、解き方を暗記しているうちは楽しめません

大人の世界で例えるなら……

よくわからない仕事をやらされて、上司からあーだこーだ指示されて、その通りに働く……毎日それのくり返し。辞めてやりたくなりますよね。

自分で考えて結果を出してこそ、やりがいが生まれるのですから。

自分で解かせる

算数の教え方は、わからなくていいんです。

家で教える必要は、ないんです。

そりゃあ、新しい知識の説明は必要かもしれませんが……。

解き方は、教えなくていい。

分からないところがあって聞かれたら、

「どういうことだろうね?」
「先生はなんて言ってた?」
「ノート(教科書)に何て書いてある?」
「問題にヒントが隠されていないかな?」

と、考える手助けをするだけで良いのです。

ただし……

おそらく、ここで一つ問題が起きるんですよね。

一人じゃ解き方にたどり着けない!

途中で諦めてしまう。

そこでの秘策がこれです。

「むずかしい」ではなく「おもしろい」

ついつい大人は「この子に解けるかしら?」と思うと「この問題は、むずかしそうだね」と言ってしまいます。心当たりありませんか?

ママ

……。

「むずかしい問題だから、解けなくてもOKだよ!やるだけやってみよう!」という気持ちから……私も言ってしまってました。でも、もう意識して言わないようにしています。

むずかしいよ!と言われてやる気になる子は、算数が好きな子です。

「やってやるぞ!解いてやるぞ!」と思えるから。

その自信があるから。

でも、そこまでの自信がない子は、高確率で諦めます。「間違えたくない」「めんどくさそう」など理由は様々ですが、やる気になる確率は限りなく0に近い。

「むずかしい」という言葉が口から出そうになったら、グッと堪えて「おもしろい」に変えてみてください。

「この問題は、おもしろそうだね」

嘘だと思うかもしれませんが、やる気スイッチが入ります。

「やってやるぞ!解いてやるぞ!」という気持ちになる。

不思議なもので、「どこがおもしろいのかな」という興味、つまり「お母さん(先生)は、どこをおもしろいと思ったのかな?」という興味が湧くんです。

親御さんの趣味に子どもたちが興味を持つのと同じことです。大人の「おもしろい」は、子どもにとって共有したいと感じるもの。

私も授業で新しい問題を解くときや難易度の高い問題にチャレンジさせるときに、よく言っています。

綿崎ねこ

おもしろい問題にチャレンジするよ!ルールを説明するから、よく聞いてね!

これだけです。

後ろを向いて騒いでいる子も、こちらを向き直ります。

しゃべっていた子も黙ります。

文章題なら、

綿崎ねこ

おもしろい問題だよ!文章が少し長いから、区切って少しずつ読んでいこうね!

「おもしろい」が前提なら、文章が長くても!ルールがむずかしくても!チャレンジできてしまう。

子どもたちのチャレンジ精神を舐めてはいけません。

目の前の子どもの強さを、ぜひ信じてあげてください。

……とは言え、そう簡単にノッてきてくれないくらいに算数が大っっっ嫌いな子もいますよね。

その場合でも大丈夫。まだまだ余裕で間に合います。

低学年の知識で解ける「おもしろ問題」「ひらめき問題」にチャレンジさせてみてください。

算数の知識で解ける問題が載った本って、実はけっこう本屋さんにたくさん並んでいるんです。

(※近々、いくつかピックアップした記事書きます!)

大人がハマるナンプレだって、小1の知識で解けます。

パズルが好きな子は、絶対ハマります。

ママ

授業内容に沿ってなくて意味あるの?

そう思われる方もいるかもしれないので、補足しておきますね。

脳トレ的な「おもしろい」問題こそ、基礎を多角的に理解していないと解けません。

「算数をがんばると、おもしろい問題が解ける!」という経験は、「将来のために」という言葉とは比べものにならないくらいに効きます。

休日など時間があるときは、子どもと一緒におもしろ問題にチャレンジしてみてください。きっと大人もハマります。大人がハマると、子どもも更にハマりますよ。

私はずっと勉強が嫌いだったので、それこそ塾講師になってから知ったのですが……実際、算数ってとてもおもしろいんですよ!知らないなんてもったいない!!

勉強をする理由や、将来的に何の役に立つのかに関しても、また改めて発信していきますね。

まとめ

算数嫌いを克服する方法は、「嫌いにさせないこと」

そして、着実に理解して面白さに気づくことです。

克服に導く声かけは、

「むずかしい」ではなく「おもしろい」

ぜひ、今日から変えてみてください。

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