子育てについて
私は子育てのゴールを、「親が、手も目もかけないでよくなったとき」と定義しています。つまりは、子どもが自分の責任で考えて行動できるようになったとき。「子どもが自立したとき」に「子育てが終わる」ということです。そして当たり前ですが、自立は子どもが勝手にある日突然するものではありません。周りの大人のサポートが不可欠なのです。しかし、子どもがある程度素直に親の話を聞いてくれるのは小学校卒業の12歳まで。早い子だと10歳前後で親よりも友達を優先するようになります。つまり、自立のための土台づくりは小学校卒業までが勝負!ということ。心や体の成長に合わせて、的確なサポートをしていきたいですね。
幼児期の子育てにおいて大切なことは、「子どもの力を信じ、手を貸しすぎない」「子どもの意見や願望をよく聴く」ということ。幼児期の子どもは、日々目まぐるしく変化します。満6歳になる頃には、脳や神経系統などの体の基礎的な部分は大人とほとんど一緒。なんと90パーセント近くも発達をとげるのです。そして、様々なことに興味を持ち「なんで?」「どうして?」と好奇心旺盛な幼児期。この時期は、子どもの自発性を伸ばすのに最適です。ついつい手を貸してしまいがちですが、チャレンジするチャンスを奪わないことが大切。できることは本人にやらせ、できそうなことにもどんどんチャレンジさせる!本人が「自分でやりたい」と言ったら、できなそうなことにもチャレンジさせても良いくらいです。どんなことも、1回目はできなくて当たり前。たくさん練習を重ねて「できた!」を増やしてあげたいですね。「ぼくなら(わたしなら)できる!」という自信につながります。
学習する方法や学ぶことの楽しさを発見し、さらに体験することで、自ら「もっと学びたい!」という意識を育む時期です。学習を通して、根拠のある自信を獲得し自身の能力を把握していきます。この土台となるのは、幼児期に積み重ねた「ぼくなら(わたしなら)できる!」という自信。果敢にチャレンジができる子ほどチャレンジ回数が増えるので、正解や成長につながるチャンスも増えます。この時期であれば、「難しそうだ」「できないかも」と弱気になっている子も、周りの大人が「できるようになる」と信じて接することですんなり自信を取り戻せることが多いです。家庭では生活や学習の習慣を身につけ、家庭生活のリズムを整えること。そして、家庭ごとのルールを通して、約束やルールの決め方を習得していきます。学年が上がったときに自分で考えて行動する土台づくりですね。
客観的な視点を手に入れていく時期です。友達や親など他者との比較ができるようになる分、適切なサポートがないと劣等感を抱きやすい時期でもあります。自我が発達する時期でもあるので、子どもの人格を尊重してあげられると良いですよね。理想と現実のギャップに落胆し戸惑うことも多いので、子どもの良いところも悪いところも受け止めて、必要な時には手を貸してあげるなどのサポートをしてあげたいですね。「失敗しても、間違っても、何があっても絶対に味方でいてくれる人がいる!」という安心感は、自己肯定感を高めます。 また、集団における役割の自覚や主体的な責任意識の育成をする時期でもあります。ただし、まだまだ精神的に幼い部分もあるのでトラブルが起こりやすい面も。手がかからなくなると自然と関わりが減ってきますが、「悩みや不安・ストレスに苦しんでいないか?」と気を配っておくことが大切です。日頃から学校とも密にやり取りをしておくと、変化にも気づきやすいかもしれませんね。